« 7月観戦記 | トップページ | BUTTON, HONDA WIN IN RAINY HUNGARY »

道草(ネタバレありません)#621

「理由」

監督:大林宣彦

日本映画ベストテン 第6位(キネ旬 2004年)

大林宣彦といえば尾道。京都で浪人時代を過ごしていたころ、1日中劇場で観ていた「ふたり」に感動し、尾道まで鈍行で行ったこともある(尾道に行くならぜひ在来線で。新幹線の駅はずっと内陸にありますから)。東京で大学生活を送ってからも「東京物語」を観て再度行っているので、尾道は非常にお気に入りの街。新尾道3部作のひとつ「あした」以来彼の作品を観てないから、よけいに彼の名前と自分の十九二十歳の頃とがリンクし、ノスタルジックな思いを募らせてしまう。そんな懐かしい響きと宮部みゆき原作のギャップに魅力を感じ、手にとってみた。

舞台は東京・荒川の高層マンションで起きた一家惨殺事件の真相をその関係者たちの証言で綴る、のが本作のあらすじ。お話の組み立てが秀逸。160分の長さも気にならないほど。監督の言によれば、原作を全く忠実に再現したとあるから、映画だけの力によるものではないのかもしれない。それでも観ている人を画面に張り付かせる術は映画の力であると言える。セリフを喋っている人物の横で、セリフのない人がチョコチョコ何かをやっていたり、何かが現れたり。さりげないCGだったり、役者の所作だったり。ダイアローグの多い作品というのは、どうしても単調になりがちなのですが、質感の違う映像を並べてみたりなど、監督はいろんなところで映画として仕掛けてくれていたのが嬉しかったです。

久しぶりの大林組の面々に頬が緩みます。ナビ役ともいえる岸辺一徳は素晴らしい。芝居っ気があるようで無い、役へのアプローチが他を圧倒していました。彼の作品への貢献度は大。また、宮崎あおいを始め、少女が印象的なのも大林映画健在を思わせてくれます。

最後に、「わたしの貴重な時間を邪魔しなかった」きっと皆さんの貴重な時間も邪魔しないはずです!

DVD鑑賞
☆☆☆☆☆

iconicon

|

« 7月観戦記 | トップページ | BUTTON, HONDA WIN IN RAINY HUNGARY »

コメント

すごく綺麗なブログですね!
また見に来ます!

投稿: 六本木walker | 2006/08/04 18:44

六本木walkerさん、
コメントありがとうございます。ぜひぜひ!

「理由」DVDですが、大林監督のナレーションで、メイキングも収録されています。これも監督の語り口がよくて、人柄がにじみ出てくるようでイイです。

大林監督には以前、私が黒澤映画の特集上映を見にいった時にゲストでいらして、サインをいただいた思い出があります。その時一緒にゲストで来ていた作曲家の佐藤勝さんをとても気遣っていたのもあって、非常に印象の良い人物として記憶しています。

投稿: lackofwords | 2006/08/07 18:43

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/106223/11260219

この記事へのトラックバック一覧です: 道草(ネタバレありません)#621:

» 理由 [Akira's VOICE]
宮部みゆき原作小説を,大林宣彦監督が映画化! [続きを読む]

受信: 2006/08/04 15:53

« 7月観戦記 | トップページ | BUTTON, HONDA WIN IN RAINY HUNGARY »